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マリアンナ・ピッツォラート メッゾソプラノ・リサイタル

馥郁たる低声と華麗なテクニック
─メッゾソプラノの新たな女神、ピッツォラートの日本初リサイタル

水谷 彰良(音楽研究家)

 ロッシーニが現代に蘇り、ピッツォラートの歌声を聴いたら、こう言って賛嘆するに違いない─「マルコリーニのような素晴らしい女性歌手がいるなんて、想像もしなかったよ!」

 1792年にイタリアのペーザロで生まれたロッシーニは、カストラートのために書かれたオペラ・セーリアの主役を男装した女性歌手が務める舞台を観て育った。そしてオペラ作曲家となった彼の前に現れたのが、男装役でも人気を博すマリーア・マルコリーニ(Maria Marcolini)である。ロッシーニは完璧な優美さと卓越した技巧を備えたマルコリーニをヒロインに、喜歌劇《ひどい誤解》《試金石》《アルジェのイタリア女》を作曲して大成功を収め、オペラ・セーリア《バビロニアのチーロ》と《シジスモンド》のタイトルロールを与えた。

 スタンダールも絶賛したマルコリーニは、fからh”まで2オクターヴ半の広い声域を備えていた。その馥郁たる甘美な歌声と華麗なテクニック、さらに男装役としての適性で筆者がマルコリーニの再来と考えるのが、このたび日本初リサイタルを開くピッツォラートである。一昨年(2010年)6月の藤原歌劇団《タンクレーディ》(ゼッダ指揮)で初来日したからオペラ・ファンにお馴染みのことと思うが、デビューから10年に満たぬ彼女の経歴をここで振り返っておこう。

 マリアンナ・ピッツォラート(Marianna Pizzolato)は、シチリア島パレルモのパラッツォ・アドリアーノに生まれ、パレルモのベッリーニ音楽院で学んだ。ピアチェンツァ歌劇場の2002/03年のシーズンに《タンクレーディ》タイトルロールでデビューし、2003年夏のロッシーニ・アカデミーと若者公演《ランスへの旅》でアルベルト・ゼッダに才能を認められ、翌2004年ロッシーニ・オペラ・フェスティヴァル(以下ROFと略記)の本公演でタンクレーディ役に抜擢された。これはその5年前にダニエラ・バルチェッローナが脚光を浴びたピッツィ演出の再演であるが、デビュー間もないピッツォラートには時期尚早の感があった。

 転機は2006年ROFの《アルジェのイタリア女》で訪れる。ピッツォラートはここで破天荒なダリオ・フォの演出に応え、ヒロインのイザベッラを見事に歌い演じたのだ。続いて筆者を驚嘆させたのが2008年ROFの《エルミオーネ》アンドローマカ役と2009年《ゼルミーラ》のエンマ役で、ピッツォラートの豊かな感情表現と力強い歌唱、真摯な表情と演技はバルチェッローナに勝るとも劣らぬメッゾソプラノの新たな女神の誕生を強く印象付けた。当時ピッツォラートはドニゼッティ作品でも活躍しており、リエージュ王立歌劇場で《マリア・ストゥアルダ》エリザベッタ、《セビリャの理髪師》ロジーナ、《ルクレツィア・ボルジア》マッフィオ・オルシーニを演じ、ロンドンのロイヤル・オペラハウスにも2009年に《シャモニーのリンダ》ピエロットでデビューを果たした。

 2010年には前記《タンクレーディ》の初来日に続いてROFの《ラ・チェネレントラ》に出演し、最終日の第1幕フィナーレで足を負傷するアクシデントに見舞われたが、翌日の《スタバト・マーテル》では痛みをこらえて素晴しい歌唱を繰り広げた。2011年の活動ではアントワープとミラノ・スカラ座でのモンテヴェルディ《ウリッセの祖国への帰還》、ザルツブルク音楽祭のロッシーニ《スタバト・マーテル》、ROFのリサイタルと演奏会形式《セビリャの理髪師》などで活躍し、今年(2012年)は1月にフィレンツェ歌劇場《ランスへの旅》、5月にボローニャ歌劇場《アルジェのイタリア女》、7月にヴィルトバートのロッシーニ音楽祭《セミラーミデ》のアルサーチェで絶賛され、秋以降はカターニアで《アルジェのイタリア女》、パリ・オペラ座《ラ・チェネレントラ》、2013年1月にはリエージュで《アルジェのイタリア女》、3~4月にはロイヤル・オペラハウス《ナブッコ》にフェネーナ役で出演を予定するなど幅広い活動が続く。

 筆者は2003年からほぼ毎年彼女の演奏に接してきたが、ここ2~3年は声に深みと柔らかさ、輝きと艶を増し、熟成した赤ワインにも似た濃厚な香りを放つようになった。2010年にネトレプコと録音したペルゴレージ《スタバト・マーテル》でも判るように歌曲や宗教音楽にも並々ならぬ才能を備え、優しく温厚な人柄の、大変チャーミングな女性である。

 この日本での初リサイタルはヘンデル、グルック、モーツァルトの珠玉のアリア、彼女の当たり役であるイザベッラ、ロジーナ、アルサーチェのアリアを中心に選曲されている。いまをときめくメッゾソプラノの新星ピッツォラートの技巧と魅力にふれる絶好のリサイタル。ベルカントを愛するすべての人にお薦めしたい。

 
曲目

前半

ヘンデル:《セルセ》~“なつかしい木陰よ”
G.F.Händel : «Serse» ~“Ombra mai fu”
ヴィヴァルディ:《バヤゼット》~“裏切られた花嫁”
A.Vivaldi : «Bajazet» ~“Sposa, son disprezzata”
ヘンデル:《オルランド》~“私に戦わせよ”
G.F.Händel : «Orlando» ~“Fammi combattere”
グルック:《オルフェオとエウリディーチェ》~“エウリディーチェを失って”
C.W.Gluck : «Orfeo ed Euridice» ~“Che faro senza Euridice”
モーツァルト:《フィガロの結婚》~“恋とはどんなものかしら”
W.A.Mozart : «Le nozze di Figaro» ~“Voi che sapete”
      :《皇帝ティートの慈悲》~“私は行くが、君は平和に”
      :«Le clemenza di Tito» ~“Parto, parto, ma tu ben mio”

後半

ロッシーニ:マルゲリーテの伝説
G.Rossini : La legend de Marguerite
     :スペインのカンツォネッタ
     :Canzonetta spagnuola
     :《セミラーミデ》~“やっとバビロニアに着いた…
      ああ、あの日を絶えず思い出す”
     :«Semiramide» ~“Eccomi alfine in Babilonia…
      Ah, quell giorno ognor rammento”
     :《アルジェのイタリア女》~“むごい運命よ”
     : «L’italiana in Algeri» ~“Cruda sorte”
     :《セビリャの理髪師》~“今の歌声は”
     : «Il barbiere di Siviglia» ~“Una voce poco fà”

※演奏家の希望により、曲目等公演内容に変更が生ずる場合もございます。あらかじめご了承ください。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。

マリアンナ・ピッツォラート
メッゾソプラノ・リサイタル

2013年3月4日(月)19時
Monday, 4 March 2013 at 7p.m.

紀尾井ホール
Kioi Hall

ピアノ:浅野菜生子
Pianoforte:Naoko Asano

チケット発売日

友の会優先発売:好評発売中
DM会員優先発売:好評発売中
一般発売:好評発売中
  
*友の会およびDM発売は東京プロムジカのみで受付

チケット価格

S:¥10,000
A:¥7,000
B:¥5,000

お問い合わせ・お申し込み

東京プロムジカチケットデスク
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チケットぴあ(Pコード 180-827)
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ローソンチケット
0570-084-003(Lコード 38492)

主催:
東京プロムジカ

協力:
アリタリア-イタリア航空

後援:
イタリア文化会館
日本ロッシーニ協会

 
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