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マリアンナ・ピッツォラート

耳に圧倒的な快楽をもたらす奇跡のベルカント歌手、ピッツォラート
香原斗志(オペラ評論家)

 すぐれたオペラ歌手の歌がどれほど耳に心地よいか――。少しでもオペラに触れたことがある人には、わかりきった問いだろう。もっとも、歌声に心を揺さぶられたくて劇場やホールに足を運んでも、圧倒的な感銘を受ける機会は滅多にないが、マリアンナ・ピッツォラートにかぎっては、その歌を聴くといつも全身が快感で満たされる。

 2004年、ペーザロのロッシーニ・オペラ・フェスティバル(ROF)における《タンクレーディ》でピッツォラートの歌声に初めて接したときこそ、まだ押し出しが弱いと感じたけれど、それでも、やわらかく優美な声と卓越した技巧に、途方もない新人が現れたと思わされた。その後、ROFでは06年に《アルジェのイタリア女》、08年に《エルミオーネ》、09年に《ゼルミーラ》と出演を重ねていき、成長ぶりがまた凄まじかった。

 ピッツォラートはきわめて速いアジリタのフレーズを歌うときも、1音にいたるまで正確さを追求する。その真摯な姿勢はデビュー当時から変わらないまま、上等なワインがうまく熟成されたように深みと力強さ、そして艶が増すとともに、感情表現が圧倒的になっていったのだ。彼女は音域が2オクターブ半はあると思われるが、深々とした低音からソプラノ並みの高音まで音質が均一で、声がしっかり前に飛ぶ。しかも、どんなに激しい感情を表すときもフォームを崩さない。つまり、正確無比にして深く、優美で艶やかな歌唱――。そんな声で広い音域を迅速に駆け抜けるように歌われると、全身が震えるほどに圧倒されるのだ。

 ヴェルディをはじめロマン派の作曲家は、音楽によって感情を模倣した。一方、ロッシーニには音楽によって感情を直接的に表すという発想はなかった。ロッシーニが様々な装飾を凝らした奇想天外なまでの旋律は、すぐれた歌手が技巧を凝らして歌ったとき、はじめてドラマになる。すると聴き手は、えも言われぬ快感を覚える。その意味で「ロッシーニが書いたメッゾ・ソプラノのパートをいまどの歌手で聴きたいか」と問われれば、私は迷うことなく「ピッツォラートで」と答える。むろん、バロックを歌っても、イタリアはもちろん、フランスやドイツの歌曲を歌っても、曲に生命を宿らせる力が彼女にあることは言うまでもない。

 今回のプログラムには、ロッシーニのカンタータ《ジョヴァンナ・ダルコ》が含まれている。作曲家がオペラの筆を折って3年後に書かれたこの作品は、オルレアンの乙女が戦地に向かう前の不安な心境から、戦いに勝利して喜びに包まれるまでが描かれ、オペラのなかの大きなシェーナに似ている。20分弱にわたり、ひとりで美しい装飾を凝らしながら歌うので、歌手には大変な負担だが、まさにロッシーニを聴く喜びが詰まった曲だ。これを聴くだけでも、数々のオペラやリサイタルに足を運んでもなかなか味わえない快楽が得られるだろう。私はいまから、自分が打ちのめされる姿が頭に浮かんでいる。

 
曲目

ブラームス:甲斐なきセレナード op.84-4 / 昔の恋 op.72-1
     :五月の夜 op.43-2 / 永遠の愛について op.43-1
J.Brahms : Vergebliches Ständchen op.84-4 / Alte Liebe op.72-1
     :Die Mainacht op.43-2 / Von ewiger Liebe op.43-1
ロッシーニ:ジョヴァンナ・ダルコ(ピアノ伴奏のカンタータ)
G.Rossini : Giovanna d’Arco
ファリャ::“7つのスペイン民謡”
M.de Falla : “Siete canciones populares españoles”
      1.ムーア人の織物
      El paño moruno
      2.ムルシア地方のセギディーリャ
      Seguidilla murciana
      3.アストゥリアス地方の歌
      Astriana
      4.ホタ
      Jota
      5.子守歌
      Nana
      6.歌
      Cancíón
      7.ポーロ
      Polo
      他

※演奏家の希望により、曲目等公演内容に変更が生ずる場合もございます。あらかじめご了承ください。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。

マリアンナ・ピッツォラート
メゾソプラノ・リサイタル

2015年05月20日(水)19時
Wednesday, 20 May 2015 at 7p.m.

紀尾井ホール
Kioi Hall

ピアノ:マーク・マーカム
Pianoforte:Mark Markham

チケット発売日

友の会優先発売:好評発売中
DM会員優先発売:好評発売中
一般発売:好評発売中
  
*友の会およびDM発売は東京プロムジカのみで受付

チケット価格

S:¥11,000
A:¥8,000
B:¥5,000

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0570-000-407(オペレーター/10:00~20:00)
http://l-tike.com

主催:
東京プロムジカ

協力:
アリタリア-イタリア航空

後援:
イタリア文化会館

 
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