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バルバラ・フリットリ

バルバラ・フリットリ(ソプラノ・リサイタル)
Barbara Frittoli

熟成の赤ワインを思わせる豊潤な薫り イタリアの名花
河野 典子(音楽評論家)

 1989年フィレンツェで、パヴァロッティ主演の《イル・トロヴァトーレ》の侍女イネス役でオペラの舞台にデビューしたバルバラ・フリットリ。それからたちまちのうちに彼女はイタリアを代表するプリマとなった。世界の名だたる歌劇場で積み上げてきた彼女のキャリアは、今年で26年目を迎える。

 フリットリの特徴は、そのレパートリーがデビューの頃から大きく変わっていないことにあるだろう。彼女は意識して、《フィガロの結婚》、《コジ・ファン・トゥッテ》、《ドン・ジョヴァンニ》などモーツァルトのロールをレパートリーの核に置き、声とスタイルが「歌い崩れ」てしまうことを未然に防いできた。フランス・オペラでは、《カルメン》、《タイス》などを持ち役にし、ヴェルディでは、《シモン・ボッカネグラ》、《ドン・カルロ》、《オテッロ》、《ファルスタッフ》などを中心にしてきた。自身が「一度は歌ってみたい」と語る《アイーダ》のロール・デビューにも未だ踏み切らず、《仮面舞踏会》や《運命の力》などは見向きもしない。プッチーニでは、《ラ・ボエーム》、《トゥーランドット》、《修道女アンジェリカ》などを歌ってきた。昨年《外套》を歌ったが、2011年夏にトライした《トスカ》は、そのとき本人が「まだ早いと感じた」とのことで、しばらくお蔵入りとなった。その他のヴェリズモ作品でもロールとして演じているのは、レオンカヴァッロ《道化師》とチレアの《アドリアーナ・ルクヴルール》くらいのものだ。いかなる作曲家の作品であれ、それ以上のドラマティックな役については、彼女はリサイタルやガラ・コンサートなどでアリアを歌うにとどめている。

 テバルディ、リッチャレッリといった流れを汲む、厚みはあるけれど鋭くない、ホールを柔らかに包み込むような声の「プーロ(純粋な)・リリコ」は、なぜかイタリアにしか生まれない。そのうえ近年はイタリアでも良い声の持ち主が若いうちからすぐにスピント系やヴェリズモ・オペラのドラマティックな役柄に安易に手を出して数年で潰れて消えていくケースが多くなり、「リリコ」と呼べる歌手が、どの声域においてもなかなか育っていない。フリットリはもしかすると、消えゆく運命にあるイタリアの純粋なリリコ・ソプラノの最後の一人になるかもしれない。数年前に体調を崩してからのち、彼女はもう一度ヴォカリーゼから声を鍛え直してきたという。その努力の甲斐あって、彼女に一時期失いかけていた声の輝きが戻ってきた。柔らかな声を長年維持するというのは、実は殊の外技術を要し、大変なことなのである。

 プログラムには、頻繁に歌われることこそないものの、それこそテバルディが自身のリサイタルで好んで歌っていた曲も何曲か含まれている。今回のフリットリのリサイタルは、彼女の原点回帰ともいえる、イタリアのリリコ・ソプラノ本来の叙情性溢れる世界にたっぷり浸れる一夜となることだろう。

 
曲目

ロッシーニ:マルグリットの伝説
G.Rossini : La légende de Marguerite
      吟遊詩人
       Il trovatore
ドニゼッティ:真夜中に
G.Donizetti :A mezzanotte
      一粒の涙
      Una lacrima
メルカダンテ:船乗りの花嫁
S.Mercadante:La sposa del marinaro
        愛しい人よ、あなたから離れて
        Lungi da te, ben mio
プーランク:即興曲 第13番 (ピアノ・ソロ)
F.Poulenc:Improvisation n.13 (Piano solo)
グノー:悔悟
C.Gounod:Repentir
ベッティネッリ:熱い口づけ
A.Bettinelli:Bacio vivo
チマーラ:春の歌
P.Cimara:Canto di primavera

カタラーニ:《ローレライ》
      “ここはどこ?〜私からすべての憐れみは消え失せた”
A.Catalani:《Loreley》
      “Dove son?〜Ebben che ogni pietà spenta in me sia”
マスカーニ:アヴェ・マリア
P.Mascagni:Ave Maria
プッチーニ:マノン・レスコー 間奏曲 (ピアノ・ソロ)
G.Puccini:Intermezzo di Manon Lescaut (Piano solo)
グノー:《サフォー》
    “おお、私の不滅の竪琴よ”
C.Gounod:《Sapho》
    “O ma lyre immortelle”
    《サン=マール侯爵》
    “輝やく夜“ (イタリア語歌唱)
    《Cinq-Mars》
    “Notte rilucente ” (canta in Italiano)
マスネ:タイスの瞑想曲 (ピアノ・ソロ)
J.Massnet:Méditation de Thaïs (Piano solo)
グノー:《ファウスト》
     “なんと美しいこの姿”〈宝石の歌〉
C.Gounod:《Faust》
    “Ah! je ris de me voir si belle en ce miroir”〈Air des bijoux〉

※演奏家の希望により、曲目等公演内容に変更が生ずる場合もございます。あらかじめご了承ください。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。

バルバラ・フリットリ
ソプラノ・リサイタル

2015年10月1日(木)19時
Thursday, 1 October 2015 at 7p.m.

東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル
Tokyo Opera City Concert Hall

ピアノ:ムズィア・バクトゥリーゼ
Pianoforte:Mzia Bachtouridze

チケット発売日

友の会優先発売:6月29日(月)
DM会員優先発売:7月1日(水)
一般発売:7月8日(水)
  
*友の会およびDM発売は東京プロムジカのみで受付

チケット価格

S:¥16,000
A:¥13,000
B:¥10,000
C:¥7,000

お問い合わせ・お申し込み

東京プロムジカチケットデスク
03-3372-7050

お問い合わせ
 

チケットぴあ(Pコード 267-807)
0570-02-9999

イープラス
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0570-084-003(Lコード 35293)
0570-000-407(オペレーター/10:00~20:00)
http://l-tike.com

主催:
東京プロムジカ

後援:
イタリア文化会館

協力:
アリタリア‐イタリア航空
NPO法人日本音楽生涯学習振興協会/NPO法人童謡コーラス支援事務局
「みんなの音楽会TV」(テレビ神奈川・テレビ埼玉・東京MXテレビにて好評放送中!)

 
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