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レオ・ヌッチ

レオ・ヌッチ(バリトン・リサイタル)
Leo Nucci

最高に濃密な時間を聴き手に約束する神のごときバリトン、ヌッチ
香原斗志(オペラ評論家)

 まさか、今年もレオ・ヌッチのリサイタルが聴けるなんて! それは、狂喜乱舞したくnなるほどの朗報であった。決して誇張ではない。ここしばらく、ヌッチのリサイタルほどに感情を揺り動かされる機会は、ほかになかったからである。

 昨年もそうだった。とにかく歌の彫りが深い。その声はみずみずしいとさえ言えるほど衰えを知らず、そのうえ、フレーズになんともいえない滋味のこもった多彩な色が宿って、歌われる一語一語が聴き手の心の奥の奥を揺さぶるのだ。すでに72歳になっていたのに、アンコールで重量級のアリアをたて続けに歌っても、声にまったく疲れが感じられないのにも驚かされた。とりわけ仰天したのは、リサイタルの冒頭で歌ったロッシーニ《セビリャの理髪師》の〈私は町の何でも屋〉が、アンコールで歌った時のほうが歌のフォルムが堅固で、声もよく出ていたという事実である。このリサイタルにはオペラ初心者、というよりも、日ごろほとんどオペラを聴かない数人の友人を誘ったが、一様に感涙にむせびながら盛んに拍手をしていた。すでにヌッチはオペラ歌手という枠を超えて、どんな聴き手をも濃密な時間に誘う、神のような存在になってしまったようだ。

 もちろん、オペラの舞台でも健在である。イタリア・オペラ、わけてもヴェルディを歌ってヌッチを超えるバリトンは、いまなお水平線の彼方まで眺めても、現れる気配すらない。そうは言っても、もう73歳。声も体力もそろそろ限界だろう、と常識的には考えてしまうところだが、ことヌッチにかぎっては、いまのところ限界が見えない。今年もすでに、チューリッヒで《ルイーザ・ミッレル》、ウィーンで《シモン・ボッカネグラ》、モナコで《道化師》、リエージュで《リゴレット》、マドリッドで《ラ・トラヴィアータ》、バレンシアで《ナブッコ》……と、若いころと変わらないペースで歌い続けている。その歩みがゆるむ気配は、まったく感じられない。

 しかも、一公演ごとの密度は、年を追って濃くなっている。生身の肉体を楽器として用いる歌手には、深い表現力を手にしたことには楽器が衰えてしまうというジレンマが、宿命のようにつきまとう。しかし、ことヌッチにかぎっては、衰えを知らない楽器に、一流の芸術家が年輪を重ねたときにだけ得られる、高貴な表情を宿らせることができているからである。

 ヌッチという奇跡のような歌手のエッセンスを凝縮して味わうことができるリサイタルには、ある意味、異様なほどの力とオーラがみなぎる。私自身、いずれの曲にも涙を禁じえなくなった。これほど聴き手に濃密な時間を約束してくれる歌手は、最初にして最後かもしれない。今年もそんな時間をすごせる幸せを感謝したい。

 
曲目

ロッシーニ:《ギョーム・テル》~“じっと動かないで”
G.Rossini : «Guillaume Tell» ~ “Resta immobile”
ベッリーニ:お願いだ、私の美しき理想の人よ
V.Bellini : Per pietà, bell’idol mio
ヴェルディ:この骨壺に近づいてはならぬ / 亡命者
G.Verdi : Non t’accostare all’urna / L’ esule
マルカリーニ:ベッリーニのヒロインたち(インストゥルメンタル)
P.Marcarini : Le “Donne” di Bellini (Strumentale)
ベッリーニ:《清教徒》~“ああ、永遠におまえを失ってしまった”
V.Bellini : «l puritani» ~ “Ah! Per sempre io ti perdei”

ヴェルディ:《二人のフォスカリ》~“ああ、年老いた心よ”
G.Verdi : «I due Foscari» ~ “O vecchio cor, che batti”
ベッリーニ:《テンダのベアトリーチェ》~“流浪の身のあわれな私を”
V.Bellini : «Beatrice di Tenda» ~ “Qui m’ accolse oppresso errante”
マルカリーニ:ドニゼッティのヒロインたち(インストゥルメンタル)
P.Marcarini : Le “Donne” di Donizetti (Strumentale)
ドニゼッティ:《ドン・セバスティアン》~“リスボンよ、ついに私はお前を見た”
G.Donizetti : «Don Sebastiano» ~ “O Lisbona, alfin ti miro”
     :《ポリウート》~“麗しきあなたの面影で”
     :«Il Poliuto» ~ “Di tua beltade immagine”
     :《ラ・ファヴォリータ》~“さあ、レオノーラよ、そなたの足許に”
     :«La Favorita» ~ “Vien, Leonora, a’piedi tuoi”

※演奏家の希望により、曲目等公演内容に変更が生ずる場合もございます。あらかじめご了承ください。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。

レオ・ヌッチ
バリトン・リサイタル

2015年10月19日(月)19時
Monday, 19 October 2015 at 7p.m.

東京オペラシティコンサートホール
タケミツメモリアル

Tokyo Opera City Concert Hall /
Takemitsu Memorial

イタリアン・オペラ・チェンバー
Italian Opera Chamber

チケット発売日

友の会優先発売:好評発売中
DM会員優先発売:好評発売中
一般発売:好評発売中
  
*友の会およびDM発売は東京プロムジカのみで受付

チケット価格

S:¥20,000
A:¥16,000
B:¥12,000
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主催:
東京プロムジカ

後援:
イタリア文化会館 / NPO日本ヴェルディ協会

協力:
アリタリア‐イタリア航空
NPO法人日本音楽生涯学習振興協会/NPO法人童謡コーラス支援事務局
「みんなの音楽会TV」(テレビ神奈川・テレビ埼玉・東京MXテレビにて好評放送中!)

 
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